
病院で働く、リハ職の女性が困ることとして、フルタイムシフト制での子育てという壁を感じませんか?
法人が、365日の加算をしている場合、土日祝関係なく働く必要が出てきますよね。

私は実際に7年間子どもを育てながら、365日の法人でシフト制で働きました。
結論から言うと、保育園の間は体力さえあれば、両立可能です。
もちろん、楽に両立するためには、コツは必要です。
ただ、問題は小1の壁ではないでしょうか。
小1の壁には様々な問題が絡み合って、シフト制を難しくしています。
地域の学童が土曜日もあるかどうかと、夫の協力体制や働き方、祖父母の協力体制によっては、シフト制でリハ職を続けていくことがどうしても難しい状態に陥るのではないでしょうか?
そういった困りごとに直面する女性リハ職は非常に多いと思います。
現状で、シフト制の共働き自体に迷いがあるという方は、どういったことでメリット、デメリットがあるのかを記事に書いたので確認してみて下さいね!
シフト制共働きのパターンは?

シフト制共働きといっても、様々なパターンがあります。
考えられるパターンをかき出してみました。
シフト制子育てのパターン
- ママかパパどちらかがシフト制、もう一人は会社員の場合
- 一人がシフト制、もう一人は休みが少ない職種の場合
- 両方ともシフト制勤務の場合
ママかパパどちらかがシフト制、もう一人は会社員の場合
ママがシフト制でもパパが土日祝休みの場合は、比較的続けやすいです。
なぜなら、土日祝に子どもの面倒を見ている人が、確実に確保されていると心理的にも、物理的にもとても助かるからです。
特に日祝の出勤というのは、病院によっては最低限の人数で回している場合もあります。
そのため、日祝の急なお休みは、職場的にもママ的にも、最も困るところです。
その点では、保育園や実家よりも、パパが子どもと過ごすことができれば安心感にもつながります。

注意点は、パパが一人で子どもをしっかりみることができるかどうかがポイントになることです。
一人ならみられるけど、二人は無理…。など人によってはみられないというパパも残念ながら多いです。
一人がシフト制、もう一人は休みが少ない職種の場合
職種によって休みが少ない
- 建築業
- サービス業
- 製造業
- 運送業
etc…
日祝の出勤がある職種で、パートナーの休日が日曜日の1日しかないと仮定します。
休みが少ない場合、日曜日の子どもと過ごす人は確保できるけれど、夫の方は体を休めることはできず疲労感がたまります。
また、祝日は子どもをみることができない状態に陥ることがあります。
そのため、実家などに預けることができない場合は、シフト制であっても祝日は出られない旨を伝えて、シフト調整を職場に頼むしかない状況になる可能性が考えられます。

ん~こうなると、職場の許容範囲にもよるし、許容されたとしても肩身が狭くならない?
両方ともシフト制勤務の場合
出会いが職場のことも多いリハ職、両親が両方ともシフト制のパターンもありますよね。
この場合は、お互いの仕事のシフト調整を事前に話し合う必要があります。
どちらかが一方的に決めてしまうと、どちらかの負担が大きくなってしまいます。
例えば、ママばかり日祝は出勤できませんと調整していると、職場での肩身が狭くなったり、職場の方の不満もたまってしまいます。
そういった事態を避けるために、どの程度の職場のマンパワーなのか、ポジションなのか、出勤数はどれくらい必要なのかということは事前に話し合っておきましょう。
リハ職が働く場所の割合は?


そもそもリハ職はどの程度、シフト制が必要と思われる職場で働いているのでしょうか?
病院=シフト制ではないですが、最近では多い傾向にはありますよね。
作業療法士協会の2019年の統計によりと、病院で働く作業療法士の割合は6割近くに上ります。
作業療法士の主な就業場所の割合
【出典:日本作業療法士協会 統計】
働く場所(作業療法士) | 割合 |
---|---|
病院 | 56.3% |
介護施設 | 13.5% |
訪問リハビリ | 8.2% |
児童福祉施設 | 2.0% |
教育、研究機関 | 1.5% |
その他 | 18% |
理学療法士の主な就業割合
【出典:日本理学療法士協会 統計】
働く場所(理学療法士) | 割合 |
---|---|
医療施設 | 64.9% |
介護施設(地域包括支援センター含む) | 7.5% |
身体障害者福祉施設 | 0.2% |
児童福祉施設 | 0.6% |
精神障害者社会復帰施設・知的障害者福祉施設・障害者自立支援施設 | 0.1% |
教育・研究施設 | 2.2% |
行政関係施設 | 0.3% |
健康産業 | 0.1% |
その他 | 24.1% |

統計をみても理学、作業療法士とも医療施設勤務が多いですね。
医療、介護施設を合わせるとほぼ7割の人が病院や介護施設でのリハビリテーションを提供していることがわかります。
そのため、シフト制で働く人の割合も増え、子育てとの両立という課題は、リハ職にとっても大きい課題です。
言語聴覚士の主な就業場所の割合
【出典:セラピストプラスサイトより】
働く場所(言語聴覚士) | 割合 |
---|---|
医療機関(病院・診療所) | 71.7% |
介護老人保健施設 | 10.2% |
特別養護老人ホーム | 5.6% |
福祉施設 | 4.3% |
教育機関 | 3.1% |
教育・研究施設 | 2.2% |
その他 | 5.1% |

STはもっと教育関連が多いのかと感じていましたが、医療機関で働く人は7割にも及ぶみたいですね。
昨今の発達障害児の増加に伴い、小児言語に関わるSTが増えてくると教育機関での需要は大きくなりそうですけどね。
シフト制子育て両立するのに必要条件
シフト制の子育てにおいて、どういった条件が必要となるのかを考えていきましょう。
ポイント
- 保育園は土曜日開園もしている保育園を探す
- 学童は土曜日も開設している地域を探す、民間学童を把握する
- 夫婦の休日をずらす
- 実家やファミサポ、外注を導入できるのか検討する
- 子どもとの時間を量より質だと割り切れるかを検討する
保育園は土曜日開園もしている保育園を探す
日祝など、休日保育をしている保育園は少ないのが現状です。
しかし、土曜日もお休みしている保育園も中にはあります。
シフト制の場合、土曜日は平日とほぼ同等の人数配置で回している職場も多く、土曜日は保育園へ預けられることが前提となってくる場合があります。
そのため、夫が土曜日休みでない場合は、保育園へ入園の際に土曜日開園しているかどうかは重要ポイントです。
学童は土曜日も開設している地域を探す、民間学童を把握する
小学校に上がっても同様に、土曜日の問題が出てきます。
土曜日に子どもをみる保護者がいない場合は、学童が同曜日に開設しているかどうかを確認しましょう。
夫婦の休日をずらす
夫婦で同じ日に休みを取ってしまうと、土日祝日の保護者が確保できなくなります。
そのため、同じようにシフト制の場合は、休日をずらして取る必要性が出てきますよね。
実家やファミサポ、外注を導入できるのか検討する

実家に助けてもらうという選択肢は共働きにはとても現実的で有効です。
ただ、両親も年を取ってきます、高齢者に子どもを頼むのは、心苦しさや心配などある場合もあります。
また、逆に親も年金の受給を遅らせて、まだまだ働いているという場合も増えてきています。
そういったことを考えると、近所に住んでいて、仕事をしていなくて、体力があって、子どもと一緒にいることが苦痛でない親でなければ、頼むことができないということです。
そもそも、近くにいることが前提なので、遠方に両親がいる場合は頼むことすらできません。
通勤や送迎を考えると、ごく近くに住んでいる場合に両親に協力してもらうという選択肢が出てきます。

そんな時に、もう一つの選択肢はファミサポや、外注となりますよね。
周りをみていると、子育てではなく、家事代行などを使ってなんとか生活しているという人は多いですよ!
ファミサポは小さい頃から利用し、馴染みの人がいる場合に使っている人もいます。
子どもとの時間を量より質だと割り切れるかを検討する

一番重要なのは、自分が働くことによって、子どもとの時間を削ってまでシフト制で働くべきなのか?という疑問から逃れることです。
子どもとの関わりは、量より質だと私は思います。
ただ、質の良いかかわりを前提として、関われる時間が多いと少ないを比較すると、多い方が良いに決まっていませんか?
しかし、長い時間子どもといるより、仕事をしてリフレッシュすることで、質を保てる人もいます。

正直なところは葛藤しながら働くママは多いのではないかと思います。
自分の考える価値がどこにあるのかを意識することが、共働きを続けることには大切です。
シフト制共働きで子育てに置けるメリットは?

色々考えると、シフト制で子育てを続けていくことって、無理なのでは?と思った方もいるかもしれません。
でも私は、実際にやってみてメリットもあると感じてはいます。
今度はシフト制子育てを続けていくメリットについて考えていきましょう。
シフト制のメリット
- 平日に子どもとお出かけができる
- 公共交通機関や公的な書類申請などが容易
- 子どもの病気は意外に休みやすいところもある
- 子どもの行事も事前にわかれば有給を使わなくても出席できる
平日に子どもとお出かけができる
シフト制で平日の休みがあることで、子どもが保育園の間は平日に子どもとお出かけができます。
そのため、子どもとの時間をしっかり取ることができるのはメリットです。
公共交通機関や公的な書類申請などが容易
市役所への書類申請や銀行の利用などができるのも、平日に休みがあると容易です。
シフト制でない場合は、それだけのために有給を使うという人もいますから、有給を節約できるのは大きいメリットです。
子どもの病気は意外に休みやすいところもある
急遽の休みは職場に迷惑はかかります。
ただ、リハ職は、看護師や保育士のように、人数に対して何人いないといけないという管理体制ではありませんよね。
そのため、休んだとしても中止できる人はリハビリを中止、代わりに実施できる人は実施することになります。
そのため、マンパワーの状況によっては、他の医療職やエッセンシャルワーカーと比べると休みやすい職種であると言えます。
子どもの行事も事前にわかれば有給を使わなくても出席できる
シフトで休みを申請する時に、子どもの行事がわかっていれば有給を使わなくても、平日の休みが確保できます。

個人的にはある程度休みの融通の利く職場だったので、調整してもらえるのがありがたかったです。
そのため、有給を節約することができますよね。
シフト制共働きで子育てにおけるデメリットは?
シフト制子育てにおけるデメリット
- 家族全員で過ごすプライベートな時間は短くなる
- シフト表を提出してからの変更が大変
- 急に休んだ場合、負担は周囲の人にいきがち
家族全員で過ごすプライベートな時間は短くなる

一番のデメリットと感じているところは、家族時間の減少です。
シフト制でフルタイム勤務を続けていくと、子どもが小学校に入った時に、急激に家族時間が取れなくなってしまうのです。
保育園の間も、夫と休みをずらす必要性があるので夫婦時間も減り、普通の共働きより会話する時間は減ってしまうのではないかと感じます。

どうしても、夫婦どちらか一方と子どもという構図が多くなりますよね。
シフト表を提出してからの変更が大変

事前にわかっている行事の対応しやすいですが、シフト表の希望を提出してしまった後に、急遽分かったという行事の場合はかなり変更しにくいというデメリットはあります。
学校にもよりますが、最近は事前に知らせていくれている場合も多いです。
ただ、入学前など4月の予定は入学してからわかる場合もあるので、事前に電話連絡などで確認をしておくと良いでしょう。
急に休んだ場合、負担は周囲の人にいきがち

正直、リハ職って休んだ時の負担は、ダイレクトに出勤している他の人へ行きます。
私もどちらの経験もあるから、わかるんです。
どっちの立場になっても、急な休みがかなりきつい。
特に、職場によって人数ギリギリなのに最大限まで単位をとっている場合、休む人が出ると、とても負担になります。
今までの職場で、休んでも負担が少なかったのは、管理職や主任には単位がほぼ入っていなくて、休んだ人の分は主任や管理職が行くよ~っていうスタンスの病院。
管理職までびっちり単位をとっていたり、管理職はほかの仕事があるから単位は取れないから、休んだ分はほかの人で取ってね~という病院では、休む人も休まれる人もかなりしんどくなってしまいます。

これは管理する側の問題でもあるから、正直どうしようもないこともありますよね。
自分でどうにもできないことはあまり気に病まないというマインドも必要です。
人数が確保されている職場がベスト。
もし、出産を見据えての、転職を進めている場合は、休んだ時の単位の取り方についても確認したほうが無難です。
ポイント
人間関係を良好に保っておくのが、最もストレスを回避する有効な手段。
普段から、休んだ時のお礼や謝罪を忘れずに行いましょう。
また、単純接触の効果を利用し、様々な人とコミュニケーションを深めておくことも有効と言えるでしょう。
シフト制でない職場へ転職するとすれば選択肢は?
いろいろ考えてはいるけど、できればシフト制でない職場で働きたいと思う人も多いですよね。
そういった時に、リハ職が転職するとすればどういった選択肢があるのか見ていきましょう。
シフト制以外の選択肢とは?
- リハ職のまま土日祝休みの職場への転職
- パートタイムでの就職
- 自費診療で実施する
- リハビリ職ではない全く違う職種へチャレンジする
リハ職のまま土日祝休みの職場への転職
土日祝がお休みの可能性がある職場は以下の通りです。
土日祝休みが多い職場
- デイサービス
- 介護施設
- クリニック
- 訪問リハ
施設にもよりますが、日祝はお休みというパターンは多いですね。
また、訪問リハでは自分で調整するパターンもあるので、祝日になる時には利用者さんとの調整で平日に回すという事業所もありますよね。
パートタイムでの就職
同じ職場でもパートタイムという選択肢もあります。
パートタイムの場合は、賃金が時間給になることも多いので、休んだ分の収入が減ることにはなりますが、気楽ではあります。
後輩指導や委員会の雑務などからも解放され、キャリアも完全に中断するわけではないので、ママにとってはプライベート時間を多くとれるという意味では良い選択肢だと思っています。
自費診療で実施する

自費診療を選択しているリハ職はかなり少ないと思われます。
もちろん、自費診療と言うことは自営業となります。
理学療法、作業療法士は医師の指示のもとリハビリテーションを提供するとされているため、作業療法士、理学療法士の自費診療で名称を使用することはできません。
理学療法士としてではなく、介護予防サービスとしての意味合いが強くなります。
ただ、曖昧さもある分野であるので、顧客を集める方法にも注意が必要ですよね。
そんななか、高精度労働省が出した通知には、理学療法士にとっては吉報かもしれません。
平成25年に出された通知
理学療法士が、介護予防事業等において、身体に障害のない者に対して、転倒防止の指導等の診療の補助に該当しない範囲の業務を行うことがあるが、このように理学療法以外の業務を行うときであっても、「理学療法士」という名称を使用することは何ら問題ないこと。
また、このような診療の補助に該当しない範囲の業務を行うときは、医師の指示は不要であること。
(平成25年11月27日)厚生労働省医政局医事課長通知
*作業療法については特に通知は出されていません。
ただ、自ら経営するということは、リスク、場所の確保、時間的制約などから母親業との両立を模索しなければなりません。
リハビリ職ではない全く違う職種へチャレンジする
リハビリ職って他の仕事をしようと思った時に、どうすればいいのか?
よくわかりませんよね。
つぶしが効かないと言えば効かないですね。
そのため、私のおすすめは若いうちから、リハビリ職以外の職で副業をしておくべきだなと感じています。
給与が上がりにくい職種でもあるので、年齢を重ねるにしたがって、給与に対する不満が募りやすくなります。
そのため、自分のキャパを広げておく必要があるなと感じています。
もちろん、何歳になっても他の仕事にチャレンジすることはできます。
今まで、リハビリの勉強にあてていた時間を、他の技術や知識の吸収にあてれば良いので、負担もそれほど多くはないんです。

そのため、思い立った時に行動していくことをおすすめします。
まとめ
今回はシフト制共働きは子育てと両立できるのかという視点で記事をまとめました。
結論的には、自前準備とシフト制のパターンによって難易度は変わってくるということです。
シフト制子育てのパターン
- ママがシフト制、パパは会社員の場合
- ママがシフト制パパは休みが少ない職種の場合
- 両方ともシフト制勤務の場合
そして、シフト制の共働き子育てにおいて、必要なこともチェックしておいてください。
シフト制共働き、確認したいこと
- 保育園は土曜日開園もしている保育園を探す
- 学童は土曜日も開設している地域を探す、民間学童を把握する
- 夫婦の休日をずらす
- 実家やファミサポ、外注を導入できるのか検討する
シフト制の共働きはメリットもデメリットもあります。
特に小学校入学後のシフト制での共働きは負担が増え、家族時間が減る可能性はあります。
ただ、両親の手助けがあったり、子育て、家事を外注する,仕事に注力せずにそこそこにする覚悟があれば両立させることも可能になってきます。
家事にしても、できるだけ減らすような工夫をしながら生活していくことでかなり負担は減らせると思うので、両立やってできないことはない!と思います。