
リハビリテーション職(以下リハ職)の女性で、子育て中という女性であれば、正社員かパートタイムか迷っている人は多いです。
ただ、リハビリテーション職の女性は一般女性に比べて、比較的正社員で働き続けることが多い職種でもあるんです。
ただ、両立するには、体力的、精神的な負担感は多いですし、家族の協力が必要不可欠であると言えます。
そんなリハビリテーション職種の女性の割合や、どのようにパートやフルタイムを選べばいいのかをまとめました。

「作業療法士って女性が多いイメージだけど、みんな正社員で働いてるの?」
実は、女性作業療法士にはフルタイム勤務は意外に多いんです。
しかし、正直正社員と非常勤それぞれにメリット・デメリットがあります。
この記事では、統計データを交えながら、女性作業療法士の働き方について詳しく解説します!
一般的な女性の働き方:フルタイムとパートの割合

● 女性のフルタイムとパートタイムどちらが多い?総務省「労働力調査(2023年平均)」によるデータ
勤務形態 | 女性の割合(15歳以上) |
---|---|
フルタイム(正規雇用) | 約47.4% |
パート・アルバイトなど(非正規雇用) | 約52.6% |
※「非正規雇用」には、パート、アルバイト、派遣社員、契約社員などが含まれますが、特に女性はパート・アルバイトとして働く人が多い傾向があります。

特に子を持つ30代女性のフルタイムの割合は約40%程度と言われています。
ただ、NHK NEWSWEBによると厚生労働省が2023年に行った調査で、働く母親の割合は77.8%と最も高くなっています。
しかし、働く母親のうち正規雇用は32.4%、非正規雇用は35.5%と言うのが現状です。
● 年齢別の働き方傾向(女性全体)
こちらは子を持つ、子を持たないに関わらず、女性全体としての数字です。
年代 | フルタイム率 | パート率(非正規含む) |
---|---|---|
20代 | 約65% | 約35% |
30代 | 約50% | 約50% |
40代 | 約43% | 約57% |
50代以降 | 約35% | 約65% |
出典:総務省統計局「労働力調査年報(2023年)」
このように、一般女性の半数以上が非正規(パート等)で働いており、年齢が上がるほどその割合は高くなる傾向にあります。
これは、育児・介護などのライフステージに合わせて柔軟に働きたいというニーズの影響と考えられます。
また、年代が高くなるほど、女性は家庭、男性は仕事と言った固定観念が強いと思っても良いです。
比較女性作業療法士 vs 一般女性
勤務形態 | 女性作業療法士 | 一般女性 |
---|---|---|
フルタイム | 約63% | 約47% |
パート・非常勤 | 約32% | 約53% |
作業療法士は国家資格を活かしてフルタイムで働く人が多いのが特徴ですが、一般女性ではパート・アルバイトなどの非正規雇用が主流となっています。
この比較を記事にも追加すれば、「作業療法士としての働き方の強み」や「国家資格保有による選択肢の広がり」を際立たせることができます。ご希望であれば、図やグラフでの視覚化もお手伝いできますよ!どうしますか?
リハ職における女性比率の傾向

リハ職における女性割合の表は職種別にみると以下の通りです。
職種 | 女性の割合 |
理学療法士 | 38.8% |
作業療法士 | 59.3% |
言語聴覚士 | 73.5% |
2016年の厚生労働省理学療法士、作業療法士、言語聴覚士需給調査より

言語聴覚士は明らかに女性比率が高いことがわかりますね。
近年は理学療法士の女性割合は増加傾向で、作業療法士の男性割合は増加傾向にあるので、かなり男女比率が均等になりつつあるかと思ったのですが、まだ理学療法士は男性割合が多い職種です。
確かに、ベテランの理学療法女性に出会うことって少ないかもしれません。
リハビリテーション職種女性の働き方の実態
フルタイムと非常勤勤務の割合は?
理学療法士の女性の常勤、非常勤の割合は?
理学療法士においては少し古めのデータにはなりますが、2010年に女性理学療法士を対象とした調査があります。
日本理学療法士協会が行った女性理学療法士就労環境調査です。
この調査によると、女性理学療法士の常勤勤務は約89.5%、非常勤職員は2.2%、パートは約3.3%でした。

理学療法士は女性の割合が最も低く、同時に非常勤の割合も最も低いという結果でした。
これはなぜかな?
個人的には女性比率が多いので、結婚相手が理学療法士であることも多く、フルタイム勤務をしなければいけない経済的な事情も関係するのかなって思ってしまう…。
作業療法士の女性の常勤、非常勤の割合は?
2022年6月15日発行 第123号に女性作業療法士の「会員のワークライフバランスと学術研鑽やキャリア形成、協会・士会活動参画に関する現況調査」結果概要報告にデータがありました。

【図形は2022年6月15日発行 第123号に女性作業療法士の「会員のワークライフバランスと学術研鑽やキャリア形成、協会・士会活動参画に関する現況調査」より引用】
このように、女性の非常勤割合の方が男性より高いことがわかります。
女性では約2割程度が、非常勤、もしくは働いていない状態であるとわかります。

しかもこのデータは日本作業療法士協会に所属している人のデータなので、実際の非常勤や働いていない女性割合というのはもっと多い可能性もありますね。
日本の女性は家庭、男性は仕事という固定概念を表しているようなデータですよね。
言語聴覚士の女性の常勤、非常勤の割合は?
2015年の四病院団体協議会の調査では、言語聴覚療法士全体のうち常勤が95.7%非常勤が4.3%となっています。

言語聴覚士の方の女性割合は70%以上と高いので、もっと非常勤が多いのかと感じましたが、2015年時点では非常勤割合は4.3%です。
3職種のうち最も高い割合であるとは言えますね。
フルタイム勤務のメリット・デメリット

フルタイムにもパートタイムにもメリット、デメリットは存在します。
どのようなメリットが考えられるのか確認していきます。
フルタイム勤務の メリット
メリット
- 安定した収入が得られる
- 福利厚生(賞与・保険・退職金など)が充実
- 昇進・キャリアアップの機会が多い
- チームの一員として責任ある業務に関われる

もちろん、これらのメリットは大きなものだと感じます。
しかし、フルタイムだからこそ子どもがいると急な休みの対応などで、責任を果たせていないと苦しむ人もいますね。
また、子どもがいることで、昇進には実際女性の方が不利に感じているというデータもありますよ。
フルタイムで働いているからこそのジレンマは感じるかもしれません。
フルタイム勤務のデメリット
デメリット
- 勤務時間が長く、子育てとの両立が難しいことも
- 残業や土日の勤務が発生する可能性がある
- 時間的な自由度が低く、家庭の都合で柔軟に休みにくい

前提としてリハビリテーション職種はシフト制で働いている職種です。
そのため、休日の子どもの預け先がなければ休日に仕事をするという選択肢は難しくなります。
もし、預け先があったとしても家族との時間が少なくなってしまうということに覚悟が必要です。
非常勤勤務のメリット・デメリット

非常勤勤務のメリット
メリット
- 時間の融通がききやすく、家庭との両立がしやすい
- 勤務日数や時間を自分で調整しやすい
- ストレスが少なく、心身に余裕が持てる
- 複数施設での勤務や副業も可能

最も大きいメリットは心と時間の余裕だと感じます。
後輩指導などもフルタイムの人が担うため、基本的には参加しません。
そのため、余裕があれば複数の施設や、違う業種との兼務なども可能で、それが気分転換にもなりますね。
非常勤勤務のデメリット
デメリット
- 給与・賞与が少なめ(時給制が多い)
- 昇進や研修の機会が限られることも
- 雇用が不安定な場合がある(契約更新制など)
- 福利厚生が限定的なことが多い

最近では最低賃金が上がってきたことで、資格職との差があまり感じられない時給を提示されることもあります。
医療保険の点数で給与が決まってしまうシステムですから…。
特に地方ではその傾向が大きいようです。
そのため、資格職であっても時給が一般職とさほど変わらないという現象が起きてしまっています。
作業療法士のライフステージごとの選択肢

作業療法士としての働き方は、人生のフェーズに応じて変化させていくことが一般的です。
ライフイベントごとに働き方を変えられるというのが、リハビリテーション職のメリットです。
例えば… 独身・20代の場合
- キャリア形成期としてフルタイム勤務が人気
- 経験を積みやすく、スキルアップの機会も豊富

20代がしっかり働くチャンスです!
思う存分仕事に力を注いでも良い時期かなと思います。
ただ、将来像を意識しながら勉強していくことをおすすめします。
正直子どもができるまでに、できることはやっておいた方が良いです。
例えば… 結婚・子育て期(30〜40代)
- 家庭とのバランスを取るため、非常勤勤務を選ぶ人が増加
- 週3〜4日勤務や時短勤務などの選択肢も活用

私の知人何人かのリハビリテーション職を思い浮かべると、かなりの割合でリハビリテーション職をやめている、もしくは非常勤で働いているという割合が増えていますね。
30代という年代的な物もあるかもしれませんが。
例えば… 子育て終了後・50代以降
- 再度フルタイムに戻る人も
- パート勤務でマイペースに働く人も多い

ただ、個人的には、病院勤務で50代の人が復職したんですって新たに入ってきた人を診たことがありません。
50代以降となると、介護施設や訪問系のサービスへ流れているのかもしれませんね。今後調査する機会があれば調査してみようと思います。
フルタイムと非常勤結局どちらが良い?
実際には、「どちらが良い・悪い」というより、ライフスタイルや価値観によってベストな働き方は変わるというのが現実です。
フルタイムor非常勤勤務に迷う時の判断ポイント

価値観とは変化するものだと思います。
そのため、20代で想像がつかなかった自分になっている場合もあります。
「今」大事な物を大事にしていく生き方をして欲しいし、していきたいなと思っています。
自分の価値観次第
- 家庭とのバランスをどう取りたいか?
- 経済的な安定を重視するか?
- キャリアアップを目指すのか?
- 自由な働き方をしたいのか?
- もっと違う職種にも目を向けたいのか?
こうした要素を見つめなおすことで、自分に合った働き方が見えてきます。
あとは、重要なことの一つに体力もあると思います。
したいと思っても体力がついていかない人も実際にいます。
リハビリテーション職は頭脳労働でもあり、肉体労働でもある職種です。
そのため、自分の体力というのも非常に重要な指標になると感じます。
まとめ

女性作業療法士は、フルタイム勤務が多数派ではあるものの、ライフステージに応じて非常勤勤務を選ぶ人も多くいます。
まとめ
- 20代はフルタイムが主流、30代以降は非常勤が増える
- フルタイムは安定性とキャリア、非常勤は自由度と両立が魅力
- どちらもメリット、デメリットがあるのでその時の自分の価値観で変えていくのもあり。
- 働き方の選択は「今の自分のライフスタイル」に合わせるのが正解!
これから作業療法士を目指す方や、今まさに働き方を見直したいと思っている方は、自分にとっての優先順位を明確にして、自分らしい働き方を見つけていきましょう!